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遊星ギヤの見方と解き方
自転車に付ける変速装置の種類は多いが、現在、広く使用されているものは、ディレイラー式と内装式とである。ディレイラー式とは、歯数の異るスプロケットを2枚以上段車式に重ねておいて、チェンを掛け換える式である。これで変速される理由は、現品を見ればだれにも容易にわかる。内装式とは、後車輪のハブの内部に、また…
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自転車の剛性試験機
U.T.A.C.(モーターサイクル自転車技術協会、日本の検査協会の如きもの)の実験室では、高精度の「ルローラン振子式剛性試験機」を用いて自転車等の剛性の測定を数年前から実施している。この剛性試験機は、作用する力の状態を正確に定めておいて、弾性変形量を間接的に測定するものである。これは変形量すなわち剛…
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小物切削工場の能率化
ここでは、バイトによる切削加工とそれに関連した事項について、自転車部品を例にとり、日常ぶつかる問題に対して役立つと思われるものを述べる。それら改善事項の項目は次のようである。専用の単能旋盤を採用する。コレットチャックを定置式にする。ミーリングの送りをレバー送りと機械送りの両方ができるようにする。切削…
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上り型ハンドルのパイプ曲げ
従来、上り型のハンドルを曲げるには、初めに内側の法のRを曲げてから、つぎの部分をRに曲げるという2工程で行ない、心金を用いる方法と用いない方法があり、パイプ断面がつぶれたり、曲げの境目がうまくいかないなどの難点があった。筆者はこの曲り部分が、ちょうどネジのらせんの一部に相当していることを発見し、早速…
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ネジの公差
ネジは丸い穴軸のハメアイと異り、その形状がはなはだ複雑なためねそのハメアイの関係もまた非常に複雑である。そしてハメアイに関係する項目が多くある。もっとも基本的な問題はオネジとメネジは両者の山の斜面(flank)で接触しなければならないということであるるもしオネジの山項がメネジの谷底に接触しているか、…
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フレーム接手の応力解析
実物と相似に作られたポリマー(プラスチックス)のモデルについて、偏光を用いて応力解析を行うのが光弾性応力解析で、今のところモデルについてしか行えないが、表面および内部の応力集中の解析には最も適している。ここでは応力凍結法を主とした三次元光弾性応力解析法の理論と実際についてやや詳しく解説する。この方法…
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自転車の力学(1)
物が運動の速度を変えたときは力というものが物に働いたと考える。速度の変わる割合を加速度という。速度は単位時間に物の位置が変った距離であらわせばいいので距離lの単位をメートルm、時間tの単位を秒secとすれば、速度ひは、v=l/tであり、単位はm/sec、加速度αは、α=v/t=l/t**2で、単位は…
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金属を熱するとどうなるか(2)
この前、第1回の話では、金属が準安定の状態にあるときは、これを熱すると安定な状態に移ることを述べた。何故に熱することが必要なのか、それは活性化エネルギなるものが、上述の変化には必要なためである。準安定から安定への変化の速度は、加熱温度にいちぢるしく影響される。焼鈍では軟化の程度に対する加熱温度の影響…
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ボンデ鋼板
ボンデ鋼板は、表面美麗で良質な冷延薄板に、電気メッキ法によって、きわめて薄く花紋のない亜鉛の被膜をつくり、さらにその上にボンデ被膜を施し、最後に表面処理を行ったものであるから、表面発錆による煩雑な錆落しがはぶけ、塗装の仕上りもまた美しく、種々の特徴がある。塗装の密着性が大で剥離することがない。塗装後…
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バーレル仕上法
バーレル仕上法とは、これがバーレル(Barrel)と称されるいおり、樽形やつぼ形の容器中に、同形、同重量の品物および目的に応じた介在物(Medium)を入れて回転し、品物と介在物とを万べんなく一様にまぜあわせて、品物の表面を差別なく一様な状態に削ったり、磨いたりする仕上法のことで、一般にはタンブラー…
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ガス輻射急速加熱法
ガス輻射急速加熱のバーナーは、オリフィスを出たガスがベンチュリー内で空気と混合し、バーナーの先端にある多くの小孔を出るとき燃焼して、バーナーカップの表面に急速に放射線状に拡がる。バーナー表面はこの高速度燃焼生成ガスにより白熱状態に加熱され、高温輻射熱が直接かつ均一に品物に伝えられる。従来の加熱炉に比…
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二段式リングバーナーについて(追加報告)
筆者は中部日本自転車工業所に協力して、二段式半自動リングバーナーによるロウ付装置を試作し、その結果の概要を本誌第5号および自転車製造機械自動化試作研究報告の中に発表した。当時試作完了してからの実験研究の余裕期間がきわめて短かかったため、本分では前回の説明のたりなかったところを補うかたわら、新しい応用…
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ハイテンション・パイプのロウ付試験
軽量自転車の試作研究について、中部フレーム部会では、そのフレーム材料として、シリコン-マンガン系の「ハイテンション」鋼による電縫管を使用することに決定し、その電縫管のメーカーである東芝鋼管から、三角フレーム用パイプの焼鈍ずみのものと未焼鈍のもの2種類、ならびにバック用ハイテンション帯鋼の試作用材料を…
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ハイテン自転車のできるまで
東芝鋼管がハイテンによる電縫鋼管の試作研究について工業技術院から昭和29年度応用研究補助金の支給を受けることが決定され、これについで自転車産業振興費によって軽量自転車の試作研究を行うことになり、これにハイテン鋼管を試用することが計画された。当組合も、軽量車試作研究の一翼をかって、フレームにハイテンシ…
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MP-5型高速自動プレス
精密小物部品のプレス加工に適するプレス機で、その性能と特長は次のようである。1)小物の成品組立用プレスとして適し、普通プレスの5倍の高能率をもつ。2)プレッシングが連鎖式で、加工速度が一定、操作がきわめて簡単、構造がターンテーブル式であるから、作業条件が絶対安全であり、初心者、女子、年少者でも能率的…
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自転車玉当りの総合的考察
筆者等は、数年前より自転車の玉当りに関して実験や調査を行ってきて、その一部は二、三本誌に発表しているが、今回従来の調査研究等の結果をまとめてみた。内容項目は次の通りである。1)玉当りの基礎となる理論、(ヘルツの式の説明を主とした)2)従来の研究、3)測定法(眞円度、眞球度、硬度測定)4)筆者等の行っ…
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ダイヤフォームによる割型の製作法
ダイヤフォームとは、普通の横軸平面研磨盤に取付け、倣い板通りにダイヤモンドにて10:1または5:1の割合に砥石を成形する装置である。砥石が成形されたら研磨盤上に目的とする型部品を取付けて、成形した砥石形状を反転した形状に研削を行うのである。この方法によると、従来のシェービングとヤスリ加工によって割型…
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ハメアイと限界ゲージ
機械工業生産において、部品の公差、互換性の考え方からハメアイ方式が規格化され、JISB0401にハメアイ方式として制定されている。ハメアイを大きく分けると、スキマバメ、シマリバメ、トマリバメの三種となるが、製作された機械部品を目的に応じてそれらのハメアイ分類に規制すべく、測定検査するのが限界ゲージで…
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自転車の分類と呼称に関する考察
イギリス、フランスなど外国での状況と日本の国内用、輸出向けなどを勘案して筆者の自転車分類の私案を示している。内地用として、1、高級実用車2、普通実用車3、軽量実用車4、運搬車5、スポーツ車6、ロード・レーサー7、トラックレーサー8、タンデム(サイクリング用およびレース用)9、特殊車(上記の車種以外の…
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サイクリング用車の設計
最近、サイクリングは爆発的な大流行となり、それに伴つて日本でのサイクリング用車はどのようにあるべきかについて、設計、製作上の要点というべきものを示す。内容項目として、1)サイクリング用車とは、2)各国のサイクリング用車、3)サイクリング用車規格案、4)設計の基礎、5)強度、剛性、6)設計の要領、寸法…
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金属を熱するとどうなるか(1)
鍛造、滲炭、可鍛鋳鉄化など各種作業の中で、いずれも加熱という操作が大きな要素となっている。加熱の方法にも、高周波加熱、火焔加熱、溶槽加熱等多くの種類がある。このような加熱の間に、金属の表面は酸化その他きたなくなるが、内部の組織も動いている。その内部の組織、動きについて金属学の説明を平易に理解させるべ…
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自転車の走行抵抗
自転車の走行抵抗は内部抵抗として動力伝達損失、外部抵抗としては空気抵抗、車輪の転動抵抗、加速抵抗および 配抵抗を考えれば充分である。自転車の基礎的研究分野に属する上記の事項も、最近数年の各研究者の研究成果により、しっかりした資料をもつようになった。ここでは、平担な道路を一定な速度で走る自転車の走行抵…
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熱のはなし
普通、熱とか温度とか平気でとっているが、一体熱とは何であるか、関単にはっきりと答えられる人は多くはあるまい。とにかく、暑い寒い、熱い冷たいは皮膚が感じる。そして冷たいものを熱くあたためるものを熱といっている。冷たい勢いを、眼に見え、数字で知るものが温度である。各種の温度計の説明から、絶対温度のこと、…
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空気マイクロメータ
空気マイクロメータは、空気圧力を利用した比較側長機(あね一定の基準長さを定め、それより長いか短かいかを比較して測定するもので、ダイヤルゲージ、ミニメータなどはこれである)で、使用空気の圧力によって低圧式と高圧式とに分けられる。空気マイクロメータの特徴として、構造が関単で容易に製作でき、製作費が比較的…
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タングステンカーバイド溶着鋼の二三の特性について
軟鋼のパイプの中にタングステンカーバイドをつめた溶接棒の溶着鋼は摩耗に対して非常に高い抵抗を示す。これは軟鋼の基地に硬い炭化物を含んだ関単な組織ではない。それは溶接中に得られる2次の硬い炭化物から成立する非常に硬い基地となる。これを要約すると、最良のタングステンカーバイドの層は、他のハードフェーシン…
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表面硬化処理を施した鋼材の耐摩耗性(2)
本講座は、自転車部品用鋼材に密接な関連をもつ各種の表面硬化処理を施した鋼材の滑り摩擦について記述するもので、前編では一般に摩耗現象を左右する主要因子の影響について述べ、なお表面硬化法ならびにその処理条件が摩耗におよぼす一般論的な傾向に関して記述した。本講においては、ガス滲炭処理ならびに液体滲炭処理を…
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旋盤でダイセットを作る法
ダイセットにパンチとダイを備えた完全な型セットで、仕事が直ちにできる状態にあるものをサブプレスというが、サブプレス方式にはすぐれた点が非常に多い。ところが中小工場ではまだ案外使われていない。その原因の第一は認識が浅かったこと、次には作らない先からダイセットはむつかしいものであるという先入観から手掛け…
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ホーク足溶接の半自動化
自転車の前後ホーク足のようなテーパ管を製作する方法としては、従来から、プレスで1本ずつ巻かれたテーパ管を1本ずつ手作業で溶接棒なしに溶接している。この製品は精度が悪く、後仕上工程に多くの時間を要する。この手作業を自動化(機械化)するためのねらいとしてバーナか被加工物のいずれか一方を機械的に動かし、ま…
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ロータリスウェージングマシンの自転車工業への利用
車体の計量化、作業の能率化(例えば、入子などのロー付をはぶくこと)からバッテッド管が望ましいことは、今日業界の常識であるといってもよい。それにもかかはらず一向にバッテッド管が実際に使用されていないのは、その価格が普通管に比較してきわめて高いためであると思われる、この代りに二重管式バッテッド管というの…
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ソ連における高周波誘導加熱による迅速滲炭法(紹介)
高周波誘導加熱による滲炭法は滲炭時間を1/10以下にする能率的なもので、とくに18XPT鋼のようなものを用いると、滲炭温度が高められ、しかも焼入れ前に温度をちょっと低下して焼入れすると強度を低下させない。本法により歯車その他の自動化式装置を作り、マッフル炉におけるようなニッケルやクロムの入った耐熱容…
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英国におけるコースターハブの製造法
本文において述べるのは、ペリー・チェーン会社(Perry Chain Co Ltd)のグラモーガン(Glamorgan)州アバークレーブ(Abercrave)新工場において採用されている方法で、マンナリー(英)の1954年1月号に発表されたものである。ハブ胴の加工工程については 造品より中心孔あけ(…
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塗装用の新しい下地パテ
新らしい下地パテとしてポリエステルパテのもっている特徴は、無溶剤パテといわれるほどに、その乾燥塗膜中の顔料に対する塗膜形成主要素の割合が大きく顔料粒子間はすきまなく充分塗膜形成主要素で埋まっていて、塗膜の機械的及び化学的抵抗性が非常に優れており、金属面に直接塗装してもよく附着し塗膜強度も大きい。硬化…
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メッキ・コストの低減
メッキ方法はここ二、三年の間に大きな変化をきたし、とくに光沢メッキ法の導入は顕著なものとして、その将来が嘱望されている。この光沢メッキ法の目的も品質の向上とメッキ・コストの低減にあると考えられる。各部品の有する性質が多種多様であるように、そのメッキの目的もそれにそったものであることが当然である。原則…
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マレアブルラッグの材質
自転車のラッグに用いられるマレアブルは正式の言葉で現せば白心可鍛鋳鉄である。これは破面が白い所からきた名称で、可鍛鋳鉄にはその他に破面の黒い黒心可鍛鋳鉄と称するものがある。肉薄物であれば、白心の炭素量は0.3%内外であるのに対し、黒心では2.5%内外を含有する。従って融点は黒心が低い。ローづけによっ…
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自転車部品の鍛造について
現在わが国で行われている鍛造は大部分が取り代の多いいわゆるゴロ鍛造であって、鍛造のままで使用せられる精密鍛造はまだ余り実施せられておらず、鍛造のあとをていねいに切削加工をしなければ使いものにならないのが現状であって、自転車部品の鍛造もこの例にもれず、ほとんどすべてが取り代の多いゴロ鍛造である。これは…
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ダイス用亜鉛合金の利用について
板金プレス、プラスチック成形、ゴム、セルロイドなどの加工にはいずれもダイスが用いられる。もしこれらのダイスを迅速かつ少工数で安価に量産できるとすれば、各分野における利益は極めて大きい。この要望に沿うダイス材として亜鉛系合金が第二次大戦少し前から欧米諸国に登場し、航空機、自動車工業などに寄与している。…
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金物と手入
金物の手入には、まず金物の地金を知ることが必要である。金物といっても極めて多種多様で、一般には、鉄、銅、アルミニウム、鉛、錫、貴金属などとそれらの合金とが主なるものであろう。金物は放っておくと銹びたり曇ったりする。銹びるというのは金物自身が変化することで、曇るのはよごれがこびりつくのと、金物に薄い銹…
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自転車工業と電力使用合理化
自転車製造に当りその作業の大部分が電灯、電熱、電動力などの電気的エネルギーに依存しており、生産の増強を達成するためにはより多くの電力を必要とすることは明らかである。然し生産コストの中に占める電力費の割合は自転車工業においては比較的小さく、僅か数%に過ぎないことから、企業合理化の推進に当って電力費は往…
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応力集中と光弾性実験
構造物の疲労破壊には応力集中ということが極めて大きい要因をなしている。すなわち応力の局部的片寄りがあると、他の大部分がいくら余裕があっても、破壊はこの応力集中点から出発して、結局構造全体にまで波及するに至る。応力の集中を知る目的のために、光弾性実験を用いて調べるのが極めて効果的である。光弾性を利用す…
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フレーム設計と身体機能との関連
前号(自転車生産技術NO.9)にフレーム設計の基礎となるフレーム構成寸法要素と、その車に乗る人の身体構成寸法との関連について記したが、本号にはその続篇として、残余の部分と最も大切な全体のバランスの点などについて記す。フレーム構成寸法要素の内には、身体構成寸法とはほとんど無関係に、車の機能的な面や機械…
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テスト・スタンドによるバイク性能試験報告
このたびテスト・スタンドを入手したので、その概要を説明しながら、その長所、短所と思われる点を指摘し、またこれで実際にバイクのテストを行うと共に、従来よく使われる電気動力計によるテストも行い、両者の比較をしながらこのテスト・スタンドの実用性や信頼性を確かめた。さらにバイクの走行抵抗を仮定することにより…
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可撓式多孔式ロー付吹管について
従来のラグを用いたフレームにも、また今後発達すると思われるラグを取り除いたフレームにも用いられるということを念頭におき、更にプロパンガスを用いることとして考案した。ロー付部分の形状に応して、炎の距離を自由に変え得て、炎の数も自由に換えられるということも考慮にいれた。この吹管は一見、リングバーナーと同…
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ロー付の強度
ロー付という現象そのものが極めて多くの因子によって左右されるため未だ明確な解明の結論が得られるに至っていない。ロー付研究の主目的の一つにロー付接着部の強度の改良ということがある。これもまたロー付の機構及びその破断時における材料の塑性的な流れを究めることなくしてはその目的を遂げることはできない。そこで…
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高周波ロー付について
筆者等が研究を行っている高周波ロー付法には次のような数々の利点があげられる。すなわち1)短時間の局部加熱ができる。2)スケールの発生が少ない。3)ロー付後の冷却操作が容易である。4)作業の自動制御ができる。従って、生産量が適正化できる。作業者は高度の技術を必要としない。所要資材が合理的に使用せられる…
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表面硬化処理を施した鋼材の耐摩耗性(1)
表面硬化処理を施した鋼材の摩耗に関しての講座である。その内容は、鋼材部品が使用状態において、いかなる主要因子で摩耗を生ずるか、摩耗現象を可及的防止するためにはどのような処置が必要であるか、表面硬化法が種々異る場合に、同一摩耗条件で比較した実験結果から、その耐摩耗性がどの程度相異するものか、あるいは表…
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瓦斯滲炭法の実際について
自転車産業協議会が部品の生産原価切下げと品質改善の目的でいち早くガス滲炭法に着目して、大阪府立工業奨励館に国産のガス滲炭設備を新設し、滲炭技術改善、経済性の比較など工業的普及化研究に着手した。その直接担当者としての筆者が今日までの操業運転経験の一端を述べ、今後ガス滲炭を採用されようという人々の参考に…
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滲炭軸受
肌焼鋼を用いたころがり軸受の基礎資料は従来皆無に近い状態であった。それで最近この方面の研究が大いに要望されている。自転車の玉当りには滲炭が施され、機能上軸受と考えてよいから、一種の滲炭軸受である。従って滲炭軸受に関する今後の研究の動向は自転車業界にとっても決して等閑視できない点である。筆者は軸受材料…
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工具鋼とその熱処理
工具鋼には炭素工具鋼と合金工具鋼がある。炭素工具鋼に含有せられる炭素量は0.6~1.5%で、用途に応じて炭素量が異なっている。一般に工具鋼に要求せられる性質は、耐摩耗性の大きいことと、適当な靭性を有することである。炭素量の低い程靭性が高く硬度は低い。炭素工具鋼では耐摩耗性が不足する場合、靭性と硬度ま…
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ネジ転造機
一般にボルトなどのごときものに対するネジ切り方法には、切削方式によるものと、転造(塑性加工)方式に分かれ、それぞれに種々の加工機械があるが、自転車工業界に於て最も適したネジ切機はローラー式ネジ転造機と考えられる。ここでは、ネジ転造機の原理、機構から解説し、一般板ダイス使用のネジ転造機、ペーベー式ロー…
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超硬合金工具について
超硬合金は約30年程前に発明され、現在までに人類の造り出した最も硬い金属として、切削用工具、耐摩工具、鉱山用工具などの分野に広く賞用されるようになり、今や工業界では欠くことのできない要素として、大小工場で真剣に採り上げられている。しかしこの金属は、従来の鉄や鋼と全く異り、特殊な製法で造られ、その特性…
研究内容
当技術研究所が、長年にわたって蓄積した技術的資料を公開・提供しています。
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