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スポークとスポーク穴
スポークの繰返引張試験機とハブツバのスポーク穴に相当する治具を用いて、スポークの疲労による破断実験を行い、また光弾性法とブリットルコーティング法による応力分布ならびに理論計算から、スポークの疲労強度を研究した。ツバのカタサは低いほうがよい。主応力点はスポーク頭の付根上部とスポーク頚がツバ穴の上縁に接…
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固態剤による鋼の光輝加熱処理
鋼の熱処理において、その鋼質を変化させないように、理想的な処理を施すためには光輝加熱が望ましい。小規模で、簡便にこの目的を果たすためには、固態剤を用いる方法が経済的で便利である。固態剤の性質は、被処理鋼材の含炭量により左右され、固態剤の還元性(滲炭活性)が処理鋼材の炭素量との比において、これに相当す…
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フレームの心出し法についての問題点
正しくて合理的なフレーム心出し法、社内検査法とはどんな方法であろうか、これは筆者にもまだわからない。しかし現在の心出し法、検査法のもつ問題点がどこにあるかは筆者にもわかっている。これを指摘するひとはできるので、この点について解説し、正しい検査法の確立に資したいと思う。そこで、フレームについてJISに…
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自転車の色
自転車展を見学したが、あかぬけのした色が車体のみならず、タイヤやサドルにまで使ってあるのに感心した。古くさい大時代の黒は追放しよう。黄色は遠方からよく見え、より近く、大きくも見えるので、安全第一の色といえよう。交通量が激増している今日、ぜひ黄色、さもなくば鮮かな原色を、自転車にも乗り手の服装にも取り…
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自転車部品の展望(その5)
自転車部品の展望として、これまで4回にわたり、いろいろの面から述べてきた。その内容項目は次のようである。1.自転車部品の系統(国による系統、用途による系統)、2.自転車部品の性格(機能、構造材料工作、取扱い、補修)、3.自転車部品の改良(歴史、製法改良、性能向上、新方式新型式)、4.車輪(総括、発達…
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鉄・鋼・アルミ(その4)
鉄・鋼・アルミについての”素人技術講座”として、これまで3回にわたり、できるだけ簡易な表現で、素人向きに興味をもたせるべく、物語り風に説明してきた。 本第四回目は、その最終回として、どんな材料をどこに使うか、という副題をあげて解説している。その項目は次の通りである。26.軽い、強い、安い、27.引張…
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完全なるニッケルの新しいメッキ、カニゼン法について
鉄でもアルミでもブラスチックでさえも、大きい物でも精密な寸法を要するものでも、内面でも、メッキ液に触れるところはどこでも均一な厚さのメッキがまったく電気を使わないでできる。これは特殊な水溶液と特殊な装置を使ってオートメーション方法で行う、まったく新しい考え方に立脚したメッキ法で、アメリカで最近の大発…
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新材料としてのアルミニウム被覆鋼(その2)
前回(本誌第28号)において、諸種のA 被覆法の概略を説明し、その得失また製品の特性および用途について述べた。本回(その二)では、これらのうちもっとも簡便で安価な方法と考えられ、また筆者の研究室でここ数年来研究してきた高温浸積法(主として溶剤処理法)によるAl被覆鋼の製造法について、やや詳細に述べて…
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パイプ切断機の試作
最近は、フレーム用パイプ材料として電縫管、ガス溶接管が2間物とか10尺物という長尺のパイプが供給されるのが通例となったので、フレームメーカーではこれをフレームサイズに切断しなければならなくなった。そこで筆者等は普通旋盤を使わずに、一つの長尺パイプ切断用の専用工作機を試作した。非常に手軽で便利であり、…
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ベルト研磨について
ベルト研磨は外国では広く種々の品物に摘用されているが、日本においてはあまり利用されていない、その原因はベルト研磨が一般に普及されていないこと、その特長が十分に認識されていないことであると思われる。筆者はベルト研磨の特長、研磨機の構造、ベルト、コンタクトホイールならびにベルト研磨機による研磨方法等につ…
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ヘリサートについて(その2)
前回(本誌31号)に引続いて、ヘリサートについての詳細説明である。まず、設計担当者はヘリサートの使用について次の事項を考慮決定しなければならない。ヘリサートを使用することにより、製品の品質が向上し、会社にとっても、 客にとってもその設計が有利であるかどうか。抑えネジやインサートのサイズ及び長さは、強…
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ハイテンション鋼管とロウ付のこつ
自転車生産技術開放研究室が技術研究指導事業の一環として、昭和31年度第三回関西地区自転車生産技術講習会を”ハイテイション鋼管とロウ付のこつ”という主題のもとに開催した記録である。すなわち、高抗張力鋼々管のメーカーの担当技術者および業界のロウ付関係技術者の参加を得て、高抗張力鋼々管についての解説の後、…
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粉末治金用焼結炉の築造
昭和31年度自転車生産技術開放研究室に設置さけるジメタク系粉末治金装置の一部、西ドイツデグッサ社のWSTMO35/15/300型押出式焼結炉体と付属品および炉中に積むレンガが入荷し、同社グルエン技師指導のもとに築炉を行ったので、その間ともに作業しながら得た知識と、筆者らが感じたドイツ式作業ぶりの一端…
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実用自転車製図学(その1)
題名に自転車という字をつけたからといって、一般の機械製図と特別変ったことを述べる意味ではない。また、図面の必要性とか図面とはどんなものかとかいったようなことを講釈するつもりでもない。 筆者は日ごろ自転車に関する作図に従事しているので、一般自転車工場にしばしば必要がある現品の図面化方法…
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工場における電気設備の保守と安全
機械工場においては電気設備は第二義的に考えられがちで、これの保守がなおざりにされる傾向が大である。電気設備の手入れ不十分による故障のため、作業の中止を考えれば、手入れの良否がいかに生産に影響するかがわかる。わが国においては予防保守、いわゆるプレベンチブ・メンテナンスに金と労力をかけることを軽視する習…
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規格限界の見方と考え方
設計技術者は設計の立場から高い精度を求めようとし、検査員は合格品質を維持しようとする立場でその必要限度を考え、現場の職長は納期を完遂するため、あるいは生産責任量の点から作業を早めようとする。こうした問題についていかに考え対処してゆくかについて述べている。規格限界設定のための統計的方法の応用がある。管…
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二輪車はなぜ走る?
二輪車の安定性、操縦性に関係ある事項を列拳すると次のようになる。1.ジャイロの効果、a.保心効果、bプレセッション効果、2.トレール効果、a.直進性維持の効果、b.横力のヘッド軸廻りモーメントの効果(サイドスライト効果)3.キャスターとオフセットによる効果、a.ヘッドの位置エネルギー効果、b.操縦機…
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鉄・鋼・アルミ(その3)
鉄・鋼・アルミについての”素人技術講座”として、その第三回目として、今回は軽合金について述べている。説明はできるだけ簡易な表現で素人向けに理解されるべくつとめている。 今回の項目は次のようである。16.軽合金とは、17.マグネシウムの合金、18.アルミニウム、19.ア…
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鋼の熱処理理論と現場作業(その7)
鋼の熱処理に関して種々の理論的解説と、これを実際に作業現場に移した場合の諸現象についてこれまで述べてきた。本第七回は残留オーステナイトに密接な関係をもつ熱処理法として、深冷処理について述べる。 一般に残留オーステナイトは焼入後これを焼戻処理することにより、マルテンサイト化が行われるものではある…
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鉄鋼材の一般検査法(その4)
鉄鋼材の一般検査法として、これまでは主として機器を応用する一般検査法について述べてきた。本第四回は、なんらの機器もも使わない、いわゆる勘と経験を基にした一見原始的に思われる検査法として、破面検査法と「マクロ腐蝕検査法」とについて述べる。これらは鉄鋼が製品にまで完成される過程の履歴を知る上に、きわめて…
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自転車玉当りの総合的考察(続)
浸炭による硬化層の深さは、その玉当りないし歯車が実際に使用される負荷条件に対して、もっとも適当な深さを有するものでなくてはならない。曲面と曲面とが接触し一定の荷重で押されている場合、その接触面化の応力の状態について、一定の形状の玉当りまたは歯車において一定の荷重が働いている場合、あるきまった材料を使…
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ガス同時ロウ付法とラグレスフレームの半自動溶接
アメリカの”スチール”誌1956年10月号にガス加熱による自動ロウ付装置の記事があったので、その一端を紹介する。自転車部品のガス加熱による自動ロウ付装置としては、前ホークの加熱装置が注目される程度であるが、他の装置も考え方としてはなんらかの参考になるものと思われる。なお当研究室でも、本年度は高周波誘…
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ドーナツ型回転メッキ装置
ここ数年来さわがれてきた光沢メッキがひととおり普及されたメッキ界において、今後最大の課題といえば、一つはバーレル・フィニシングのマスターであり、他は自動化への前進であろう。筆者等は数年前からドーナツ槽についての研究を進め、自家工場で使用するとともに他社にも使ってもらい(完成12台、工事中8台)、その…
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職業病としてのクロム中毒症
労働環境における有害因子の直接的影響によって労働者が疾病にかかった場合、その疾病を職業病と称する。 自転車部品製造業、とくにハンドル、ブレーキ等のメッキ部品製造業にあって、衛生上問題となる点は、クロムメッキ作業において発散するクロム蒸気による人体傷害と、バフ研摩作業により飛散する粉塵の障害(塵肺症)…
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わがメッキ技術の歩み
自転車生産技術開放研究室が技術研究指導事業の一環として、昭和31年度第三回中部地区自転車生産技術講習会を”わがメッキ技術の歩み”という主題のもとに開催した記録である。自転車業界のメッキ関係技術者ならびに関係研究機関の研究者の方々に参集を願って、公開搭論会型式にて行ったものである。討論において採り上げ…
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ヘリサートについて(その1)
工作機械や産業機械、工業製品のほとんどはネジによる抵結部分を有している。ところがこのネジ部に材質上、機構上、機能上など種々トラブルが起こりがちで、とくに母材の材質が軽合金や非金属のように鉄や鋼に比して強度が低い場合には、メネジの摩耗、ムシレ、カジリ、ボウズ、腐食、錆付、焼付、破損などの問題が絶えない…
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鋼の熱処理理論と現場作業(その6)
鋼の熱処理に関して種々の理論的解説と、これを実際に作業現場に移した場合の諸現象についてこれまで述べてきた。本回は鋼材の機械的性質の多くに関係する問題として、鋼の恒温熱処理に関する理論、ならびにその応用の実際例について解説する。現状の一般的熱処理においては避けがたい関連性のある焼割れ、歪、残留オーステ…
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表面硬化層中の微視的亀裂
近時、高炭素粗粒鋼のマルテンサイト針中のミクロクラックの存在が知られてきたが、浸炭窒化あるいは浸炭された表面層の高炭素部分におけるそれが存在は、われわれが知っている範囲では、これまでアメリカの文献で論ぜられたことはなかった。単位面積当りのミクロクラックの頻度ないし数とその大きさは、主としてオーステナ…
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プラスチックの粉末溶射法
各種の機械器具類は、耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性、電気絶縁性、耐候性などが要求される。そのために適当な材料でライニングまたはコーティングを施す。その一分野として最近発達してきたのがブラスチックスの粉末溶射法である。これは高温火焔の中を高速度で各種のプラスチックスの微粉末を通過させて軟化溶融せしめつつ、…
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塗装の進歩を語る
自転車生産技術開放研究室が技術研究指導事業の一環として、昭和31年度第二回関西地区自転車生産技術講習会を、”塗装の進歩を語る”という主題のもとに開催した記録である。塗装メーカならびに関連研究機関の研究者を講師として招き、塗装関係の業界技術者の参加を得て、公開討論会形式にて行ったものである。 討論のテ…
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簡易万能投影器の試作
自転車工場においても、ギヤ歯形、ゲージあるいは型の検査、製品の形状、表面の状況などを調べる必要が多くある。しかしながら自転車部品に関しては、市販されているような高性能な測定器(工具顕微測定器、プロフィルプロゼクターなど)は企業の形態上設備することがなかなか困難であり、製品の精度上もあまり厳しくないと…
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部品別生産技術研究会を作ろう
自転車工場の中には、すでに世界の水準に達し、さらにその優位を占めんとしているところもあるが、自転車工業全体の水準、すなわち平均化された自転車の製造技術をながめると、悲しいかなだいぶ立遅れていると考えられる。わが国自転車工業の技術水準を平均して急速に向上させることが重要である。そのための方策の一つとし…
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内装式変速機の研究と試作
自転車用変速装置としての考案はその数も多く、Sturmey-Archer.B.S.Aなどのものはすでに製品化されているが、外国製品を本邦自転車産業に直接採用するのは種々の故障があるものと思われる。すでに考案された各種の変速装置の構造について検討したところ、すべて遊星歯車機構を利用していることがその特…
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貿易斡旋所購入外車寸見
最近、各貿易斡旋所より購入された外車10車のうち、次の5車につき調査を行った。1.PHILLIPS AGDイギリス製実用車、2.PHILLIPS MANHATTANイギリス製スポーツ車、3.RALEIGH DE LUXEイギリス製スポーツ車、4.BIANCHI SPORTイタリア製スポーツ車、5.H…
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鉄・鋼・アルミ(その2)
鉄・鋼・アルミについての”素人技術講座”ということで、専用用語はできるだけ使用せず、素人向きに理解させるべく物語り風な説明につとめている。 その第二回目として、本回は特殊鋼いついて述べている。その項目は次のようである。9.特殊鋼ては、10.合金金属の横顔、11.鳶に鷹を生ませる、12.配合…
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鉄鋼材の一般検査法(その3)
鉄鋼材の一般検査法のその三として、今回はX線透過検査法について述べる。最近の無破壊検査法として、もつとも信頼できるものの一つで、溶接および鋳造工業に盛んに応用される。すなわち鋳物にX線を透過させれば、内部における気泡、パイプ、収縮、亀裂、砂または溶滓の混入等が判明し、溶接部の場合いは原金属の境界、気…
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鉄・鋼・アルミ(その1)
鉄・鋼・アルミについての”素人技術講座”ということで、専門用語をできるだけ使用せず、素人向きに理解させるべく物語り風に説明している。 その一として、本回の項目は次のようである。1.日本民族と鉄、2.はがね、3.ずく、4.鋼の状態図、5.結晶、6.鉄の変態ね7.鋼の変態、8.菊水曲線、…
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誰にでもできる鋼の分析法
1.銅の中の銅の分析、及び2.比較火花分析器について述べる。銅の分析は、高価な化学天秤を使わず、特別な分析室がなくても、化学の知識や、分析の経験を得たぬ人でも容易にできることなどをねらって開発したもので、簡易な 帯装置を試作したが、一層小型経硬化を孝案中である。火花試験法は分析や顕微鋼を用いない簡便…
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鋼の熱処理理論と現場作業(その5)
鋼の熱処理に関して種々の理論的解説と、これを実際に作業現場に移した場合の諸現像についてこれまで述べてきた、前回(その四)では、鋼の高温加熱について、工業的に可能である中性加熱媒質につき、またそれらによる鋼材熱処理の特徴、その他の現像に関して記述した。本回は鋼材の焼入作業に必要な冷却媒質のありかた、お…
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塗膜の耐候性について
最近サイクリング運動の普及に伴って、自転車も色とりどりの美しい色彩の車が多くなった。その半面少しの使用によって塗り色の褪せた薄汚れた車も目立つようになった。塗装におけるきれいな色彩、よい光沢の維持、褪色試験方法などの問題に、多くの人々の関心がはらわれるようになってきた。褪色試験の依頼も最近多くなった…
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ブレーキゴムの制動性能
自転車の車体本来の目的から考え、ブレーキ自体を無視することはできない。それが旧来のブレーキゴムであろうと、バンドブレーキであろうと制動性能を明確に判定することは大切であるが、これに関する基礎資料がない現状では、甲乙をつけること自体がおかしい話しなのである。そこでわれわれは従来、等閑視しがちであったこ…
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変速ハブの歯数はどうやって決めるか?
イギリスの有名なスターメー・アーチャー社は、最近新型の変速ハブSW型を発表した。その速比は従来のスタンダード型であるAWの速比よりも幅が広い。この数値をよりどころに、SW型のギヤの歯数を割り出し、以下にその予想を試みてみる。これを考えてみることは、推理小説的な興味が感じられる問題である。と同時に、目…
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自転車フレームの設計基準
当開放研究室の研究課題の一つとして、”自転車の設計基準”を作成することになった。これは自転車各部の構造機能および強度を検討し、工作、組立、分解の簡易化、部品の互換性をも十分考慮に入れたものでなければならない。自転車に関する多くの研究結果はもとより、業界の永年にわたる経験、技術等も十分織り込まれ、完成…
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乗りよい自転車の設計
自転車生産技術開放研究室が技術研究指導事業の一環として、昭和31年度第二回中部地区自転車生産技術講習会を、”乗りよい自転車の設計”という主題のもとに関催した記録である。完成車メーカー並びに関連研究機関の技術者の方々の参加を得て、自由討論形式にて行ったものである。討論のテーマとしての項目は次のようであ…
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スポーツ用自転車新型発表会を見て
1956年度後期のスポーツ用自転車新型発表会は11月12日より18日まで7日間、虎の門の機械貿易会館において開催された。昨年および今年の6月に開かれたものに比較し、種類も多く質的にも向上したものが見受けられた。今回は総重量9.7Kgという軽量車および価格3万円以上もする高級車が相当数出品され、特別な…
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品質管理抵抗
戦後、アメリカから統計的品質管理が導入されて、10年は経過している。すでに大企業においては着々と成果があがっている。ところが中小自転車企業において、顕著なる実績のあがった例は、まことに廖々たるものである。なにか統計的ということをカン違いしておられるような気がする。統計的にものごとを処理しようと思えば…
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ロウ付のコストを引下げるには
自転車生産技術開放研究室が技術研究指導事業の一環として、昭和31年度第二回関東地区自転車生産技術講習会を、”ロウ付のコストを引下げるには”という主題により開催した記録である。完成車およびハンドルメーカーなどより技術担当者の参加を得て、久保指導員の司会により、自由討論形式にて行ったものである。テーマと…
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機械部品用鉄系焼結材の諸性質
機械部品用材料として最近とくにその使用分野が開けつつある鉄系焼結材について製造加工法と機械的性質を中心に少し述べる。現在粉末冶金法は、一般鋳造法、精密鋳造法、鍛造法、ダイカスト法とともに、機械部品の製造上不可欠の新しい加工技術として、競争的地位を占めてきている。本文で解説する内容項目は次のようである…
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深絞り用極軟鋼板に関する二三の問題
深絞り用高級仕上鋼鈑は成分的には極軟鋼鈑であり、大なる深絞り性が要求される高品質の鋼である。JISG3305にはその成分、機械的諸性質等は定められているが、最近はより優秀な性質の深絞り用鋼鈑が望まれており、品質向上のために精練法、圧延法、熱処理法等種々の角度から研究が進められ、多くのことが明らかにな…
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鋼の熱処理理論と現場作業(その4)
前号では加熱雰囲気の影響について、酸化性雰囲気中で鋼が加熱された場合に、鋼材の受ける酸化脱炭作用について、また還元性雰囲気中で高温加熱した際には、鋼材に局部浸炭現像を生じて溶融点を低下し、不良品となる可能性の多いことなどを詳述し、結論的に鋼の高温加熱は、中性雰囲気または中性媒質中にて行うことの望まし…
研究内容
当技術研究所が、長年にわたって蓄積した技術的資料を公開・提供しています。
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