従来の溶剤を用いる塗布方法の欠陥を補う方法として、溶剤を用いない塗布方法が考えられる。この無溶剤塗布法を大別すると、樹脂を直接加熱し溶融軟化状態で、これを被塗布体に吹き付ける粉末溶射法と、あらかじめ加熱した被塗布体を粉末中に浸潰する浸潰法になる。前者はすでに実用化され、各方面においてすぐれた特徴を発揮しているが、これに対して筆者等は単なる浸潰法を改良したいわゆる流動浸潰法を考案した。この方法によれば多くの有利な点が予想されるので、まずこれの基礎事項を解明し、次いで応用化の研究を行った。