当該製品で走行中、転倒し右手指を負傷した。
調査の結果、○使用者によれば、舗装された車道を直進していたところ、突然体が前方に投げ出された。事故発生時の詳細な状況は覚えていないとの説明内容であった。○前輪が大きく歪曲しており、スポーク３本が湾曲していたが、スポークの破断及び明瞭な打痕は認められなかった。○タイヤが、前ホークの内面及びブレーキシューに接触して回転しない状況であったが、明瞭な擦過痕は認められなかった。○前輪のリム接合部右面は引張変形により５ｍｍ開いて接合用ピンが露出しており、左面は圧縮変形していることが認められた。○前輪リム及びリム接合用ピンの硬さ並びにリムの寸法に異常は認められなかった。○前輪の抜き取り検査（１／１００本）において、当該製品の製造ロットにおける検査記録に異常は認められなかった。○当該製品の前輪は大きく歪曲していたため、横及び縦静的強度を確認することはできなかった。○使用者によれば、事故発生以前に当該製品を乗車している際に転倒したことはなく、駐輪中に第３者により倒された認識もないとの説明内容であった。○同等品において、前輪の縦及び横静的強度並びに完成車の構造に異常は認められなかった。●当該製品は、走行中に前輪が大きく歪曲したことによりバランスを崩した使用者が転倒して事故に至った可能性が考えられるが、事故発生以前の前輪の状態及び事故発生時の詳細な状況が不明であるため、製品起因か否かを含め、事故原因の特定には至らなかった。 なお、当該製品にはＴＳマークが貼付されており、購入日に販売店で自転車安全整備士による点検整備を受けていた。