当該製品で走行中、チェーンが外れ、転倒し、負傷した。
調査の結果、○使用者が緩い登り坂で立ちこぎをしようとした際にチェーンが外れて転倒し、左顔面を負傷した。○当該製品のチェーン及び新品のチェーンを当該製品に装着した際のたるみはそれぞれ３２～２４ｍｍ及び３０～２２ｍｍであり、いずれも取扱説明書に記載された基準値（２０～１５ｍｍ）を超えていた。○当該製品のギヤクランクを新品に交換して当該製品のチェーン及び新品のチェーンを装着した時のたるみはそれぞれ３４～２１ｍｍ及び３２～２０ｍｍであり、いずれも取扱説明書に記載された基準値を超えていた。○当該製品に乗車して走行したところチェーンは外れず、当該製品を横倒しにしてギヤクランクを正転及び逆転させてもチェーンは外れなかった。○当該製品は、販売店がチェーンの張りを調整する仕様であるが、調整した痕跡は認められず、新品のギヤクランクと新品のチェーンを組み合わせた際のチェーンのたるみが当該製品のチェーンと同程度であったことから、調整されていなかったと考えられた。○当該製品の販売前に行う点検について、販売店に点検記録が残されていなかった。○当該製品は、購入されてから一度も定期点検や整備を受けていなかった。●当該製品は、販売時にチェーンのたるみが調整されていなかった可能性があり、チェーンのたるみが取扱説明書に記載された基準値を超えていたが、横倒しにした状態でギヤクランクを回転させてもチェーンが外れることはなく、事故発生時の詳細な状況が不明であることから、製品起因か否かを含め、事故原因の特定には至らなかった。