使用者（70歳代）が当該製品で走行中、サドルが破損し、転倒、腰を負傷した。
調査の結果、○当該製品のサドルは、左右の舟線がシートポスト取付金具（やぐら）の前部で、２本とも破断していた。○破断面は、２本の舟線とも、破面最上部を起点に破断しており、上部に疲労破壊の特徴であるストライエーションが、破面下部に延性破面の特徴であるディンプルが認められたが、異物混入や気泡等の破断の原因となるような製造上の欠陥は認められなかった。○２本の舟線とも、疲労破面部にさびの発生が認められたが、著しいものではなかった。○破断した舟線の硬度は、同等品と同程度であった。●当該製品は、サドル下の２本の舟線上部に亀裂が生じ、その後の使用に伴う荷重や振動等により疲労破壊して破断し、サドルが傾き、バランスを崩したために転倒したものと考えられるが、舟線に亀裂が生じた時期及び原因が不明のため、製品起因か否かを含め、事故原因の特定には至らなかった。